悲劇
今日の真理選手のブログに回復の重要性について書いてありましたが
若くてやる気のある選手ほど、オーバートレーニングの罠にはまりやすいのです。
人生をかけて自転車一本の生活にしたのだから
「トレーニングは仕事!」とばかりに休養を取らずにトレーニングを続けると
体はそのうちにトレーニングを受け付けなくなり
高い強度での練習ができなくなります。
そして、その度合いが強いと1ヶ月とか2ヶ月とかいうスパンで
調子を崩してしまうケースがよく見受けられます。
重症オーバートレーニングになった場合
1年とか2年とか、場合によっては3年経っても回復せず
なんていうケースも実際にあるのです。
僕の場合、10年くらいスッキリしない期間があり
ちょっと自転車の乗っただけで激しい筋肉痛になり
吐き気、頭痛などにも見舞われ、朝から激しい疲労感で
日常生活も満足に送れず、医者からは精神病扱いされ
また、あまりにもその期間が長く寝て過ごすことが多かったため
家族の理解も得られず、誰にも理解されずに
苦しい時を過ごした経験があります。
若くて経験の少ない選手は、やる気がいっぱいで
疲労に気づきにくい場合が多いです。
全日本の合宿なんかに招致されれば、
そこで魅せてアピールしなければならなかったり
プロ1年目で周りのプレッシャーがあったりしても
若い選手は無理をしてしまいがちです。
近年、僕の周りでそういった理由で本来の力を発揮できずに
悔しい想いをした選手を何人も見てきました。
やる気があって、人生をかけてそこに飛び込んで
だれよりも沢山練習したのに、レースでは結果が出せず
周りからの評価もガタ落ちして、そのうち相手にもされなくなってきて
練習しても足に力が入らず・・・では
本当に自転車をやめてしまいたくなってしまうことでしょう。
トレーニングは体を破壊する行為です。
破壊したらそれ相応の回復をさせなければ
上記のような悲劇は簡単に訪れます。
何度も、何度もそんな経験をしてきた僕が言うのですから
間違いありません。
トレーニングと回復は必ずセットです!!
なんどもそれを繰り返して、完成された体で初めて
グランツールなどを走ることができるようになっていくのだと思います。
自分自身しか感じることのできない「感覚」をたよりに
トレーニングと休養のバランスをつかんでいってもらいたいものです。
血液検査による指標もありますが、あまり現実的ではないので
こまめに体調をノートにつけて、自分というものを知っていく以外に
道はないと思います。
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コメント
オーバートレーニング、怖いですね。
自分でもわからないうちに陥ってしまう。
自分も気をつけないと。
毎朝、そして帰ってきてから、ローラーやってますが、少しずつ乗ることが憂鬱になってきました。
投稿: ゴールデン | 2012年3月 8日 (木) 07時13分
働きながら空いた時間でトレーニングをするというのは
本当に大変なこと!!
どのレベルを目指すかにもよるけど
あまり疲労をため過ぎないようにねっ!
投稿: 小室 | 2012年3月 8日 (木) 21時58分